愛の強さゆえ 優しき獣ゆえ

恥ずかしい話、私は今日まで魚を焼いたことがなかった。
IHではある。が、普通のコンロの魚焼きグリルを使ったことがなかった。
スーパーの初老のおじさんがホッケを売っていて、ああホッケだと手に取った。
冷凍されていたので袋に閉まって水で解凍した。
グリルを開けたり閉めたり忙しなく焼き加減をチェックした。しつこいほどに。
おかげで人生初体験ははなまる。
脂のしっかりのった美味しいホッケでした。

日付は変わってしまったけど、朝から大きな訃報を聞いてぼんやりとした。
今年リリースされたアルバムの彼の歌声は切ないほどに綺麗で、今までにないアルバムだなぁ、美しいなぁと聴いていた。
けれどもうこの歌声が響き渡ることはない。
彼の歌声は十代の私が叫びたいときに代わりに叫んでくれた。
専門学校に意識朦朧で行っていた時もイヤホン越しに彼の歌声は流れていた。
当たり前にあったものがなくなってしまったらしい。けれどどうにもまだ事実として受け止めきれない。
彼に一つだけ問うことが出来るなら、「楽になれた?」とそれだけ問いたい。

今日は驚くほどに体が動かなくて、それでも生活は容赦なく時間を運んでくるからただただ頭の中を無にして動いた。
寝ても寝ても眠い。地球の引力がいつもの倍のように感じられて重い。
体がもう少し強く逞しくなるといいのだが、もう少し時間がかかりそうだ。
今週は吐いたり動けなくなったり免疫力低下で病気になったりと色々と限界を感じる。


ブログ越しにお手紙をもらった。
いつもいつも何かと私を気にかけてくれる大切な友人だ。
昨日の夜、YUKIのプリズムのリンクがLINEで飛んできてすごく嬉しくなった。
彼女の曲の中で一番好きだから。
ブログには、私が幸せになるといいなと書かれていた。
そっくりそのまま、友人に返したい。
友人が心の底から伸びやかに生きられる場所で生きていけたらいいと思う。
私達は同じ障害を持ったなんだかおかしな関係だ。
けれど、それのなんと心強いことか。
お互い図太くなろう。幸せに臆することなく生きられたらいいね。

目の前に差し出された愛情と優しさをうまく掴めない。
本当は何よりも掴みたくて信じたくて仕方がないのに。
強がることなく、素直な気持ちがどこかしっかりと見定めながら、後悔なく歩みたい。

眠って起きたら沢山の人に会う。
ドキドキしている。大丈夫、大丈夫と念じながら眠る。